声の作品をつくっています

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– 今度の展示場所は、野外炊事場。明るく、風通しがいい。食べるものをつくる場所で、声の作品をつくっています。
テスト用に持って来た小さなスピーカーを、トタン屋根から吊り下げて音を出してみる。スピーカーは揺れ、そこから流れる声も茂みの方に吹き飛ばされていく。拾いに行かずにすむのがいい。

時々、わたしらしさ、というものについて考えることがある。一目でわかる作家性みたいなものだろうか。それほど一貫したものを作ってこられた自負もないけれど、今つくっているのは、それにしてもはみ出している感じがする。でも、制作のある段階で、扱っている要素同士がたがいに働きかけ、それらじたいの必然性で動きだす瞬間がある。それまでは、何度もなんども自分の考えや感情に立ち返って、土壌を作っているのだけど、その時点からそこに育っていくものについて、育っていくために必要なもののために、自分はひたすら動く。
感性は論理に先立ち、正しい。常にそのような感性を死守していく(正しいと言い張るのではなく)のが、アーティストの使命なのかもしれないとふと思う。論理は時に気持ちがよいものだから、それをまっとうするのは、とても、とても難しい。

共同体のジレンマ
9/8~9/30(水木休み)
出展作家: 大﨑土夢、織田 真二、川原 卓也、鈴木 淳夫、鈴木 孝幸、福永 恵美、山口 諒、大和 由佳

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ギャラリートーク

ART NEXT展も明日の日曜日で終わり。企画協力された愛知県美術館の拝戸雅彦さんとのギャラリートークがあるので、灼熱の埼玉から灼熱の名古屋に行きます。どこもあつい。
当日はこんなタイムスケジュールです。
8/5 (日)
増田舞子 13:00〜
柴田麻衣 13:30〜
清河北斗 14:00〜
石場文子、守本奈央 14:30-15:15
うしお、島本了多 15:15-16:15
大和由佳 16:15〜

以前も書きましたが、今回同じGallery HAMから参加している先間康博さんと、展示の連なりを試みました。搬入当日、先間さんが新しいアイデアを提案され、とても刺激を受けました。機会があれば、また違った空間で展開させてみたいなと個人的には思っています。
それはともかく、初日にいらした、岐阜にあるGALLERY CAPTIONの方が、instagramで紹介してくださっています。嬉しいので、初インスタグラム埋め込みをしてみます。CAPTIONは名古屋からも行きやすく、素敵な作家さんの展示をされているので、機会があればぜひ足を伸ばしてみるとよいと思います。私も伸ばします。

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・ 「不透明なメディウムが透明になる時ー新世代のアーティストたちー」 2018年7月24日ー8月5日 主催: ART NEXT 実行委員会 企画協力: 拝戸雅彦(愛知県美術館) (電気文化会館/名古屋) ・ 名古屋周辺の15ギャラリーが取り扱う作家たちを、愛知県美術館の拝戸雅彦氏のキュレーションのもとに集めた展覧会。 ・ ギャラリーHAMさんからは、写真講座でお世話になっている先間康博さんが、大和由佳さん、河野奈穂さんとともに参加。先間さんは、大和さんの「アルバースの洗濯」とのコラボレーション、というより、大和さんの展示に介入する、という思いがけない展開になっていました。 ・ 大和さんの「アルバースの洗濯」は、昨年、愛知県新城市の山奥にある、廃校になった小学校周辺を舞台に行なったパフォーマンスを、映像、写真などの記録と、実際に使用した布や洗濯かごなどのアイテムととにインスタレーションしたもの。実はこの作品には、先間さんの「study meeting vol.6. 画家の写真が魅せるもの」に参加した大和さんが、レクチャーのなかで紹介された、アルバースの仕事にインスピレーションを受け、パフォーマンス化した、というエピソードが。 ・ この週末にはアーティスト・トークも予定されているようです、是非お出かけください。 ・ #先間康博 #大和由佳 #アルバースの洗濯 #ジョセフアルバース #josephalbers #galleryham #不透明なメディウムが透明になる時 #contemporaryart #展覧会

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ART NEXT NO.3

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日時: 2018年7月24日(火) – 8月5日(日)
     開場時間 11:00 – 19:00(最終日17:00まで)
会場: 電気文化会館 │ 〒460-0008  愛知県名古屋市中区栄2-2-5
主催:ART NEXT 実行委員会
共催:NCAM (Nagoya Contemporary Art Map)
後援:あいちトリエンナーレ実行委員会
企画協力:拝戸雅彦(愛知県美術館)

 NCAM (Nagoya Contemporary Art Map)   は、愛知県内の現代美術のギャラリーで構成された団体です。ART NEXT NO.3は、情の時代」と題された4回目のあいちトリエンナーレ2019を一年後にひかえ、県内15のギャラリーが参加し、27組のアーティストをご紹介する展覧会です。Gallery HAMから 大和由佳、Nao Kawano Fujii、先間康博が参加します。

私は、昨年の「それぞれの岐路 – 所有について」展で発表した映像インスタレーション、そして、その展覧会で行なったパフォーマンスを撮影した写真を展示します。
後者は、同じくGallery HAMから出品される写真家の先間康博さんの写真を、私が構成する形をとります。この素晴らしい写真たちをどこかでお見せしたいと思っていたので、先間さんの長く取り組まれている林檎の写真と合わせて、新しい試みとして楽しみにしていただけたら嬉しいです。
ちょうどHAMでは、Nao Kawano Fujii「”FLASHBACK part 2″」も開催中で、Naoさんの作品もたくさん見られるチャンスですので、この機会にぜひ名古屋にお越しください!
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個展が無事終わりました。
途中、急な休廊もありご迷惑おかけしましたが、お越しいただいた皆様に心より感謝いたします。
7月末からは名古屋、その後9月には新城と、生まれ育った愛知でのでの発表が続きます。

外にでたい一心で東京に進学したので、このような形でふたたび愛知で過ごす時間をあるのは不思議な感じがします。郷愁はないのですが、実家の両親と話していると、大人になってよかったなと思うことも多いです。

とにかく、作りたいものが山ほどあって、学びたいこと知りたいことがたくさんあります。のんびりしている性格のネジを巻いて、なんとか形にできるよう、頑張っていきたいと思います。

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音楽

パフォーマンス「束ねと解け」では前日まで音楽を使うか迷っていた。ギャラリーで延々と草を束ねている時や、当日の動きを考えている時、候補としていたバッハの無伴奏チェロ組曲の4番と6番を交互に流していた。弦楽器の弦を移動していくその音の質やチェロの音域が、作品によく合っていた。音楽が空間を満たす感覚はすばらしく、作品の力になってくれるだろうと思った。でも、というか、だから、というか、結局使わないと決めた。

演奏は最初、既に持っていたパブロ・カザルスのものを使おうと改めて聴いたらあまりに重かった。たしかにカザルスは眠れない夜に聴こうとしたら逆効果となるほど、聴いていると胸が詰まるような気持ちになる。そこで、新しくヤーノシュ・スタルケル、アンナー・ビルスマも聴き比べてみた。これが同じ曲だとは思えないほど違って、特にビルスマは個人的に大好きになった(パフォーマンスに使うのはスタルケルの方が合っていた)。詳しくはないけれど、バッハはこのような音楽を思いながら、この曲を書いたのではないだろうか。今も聴いているけど、最高だ。

昨年見たリヨンビエンナーレでは、かなりの数のインスタレーション作品に音がついていた。作品のコンセプトからいえば、とくになくてもいいんじゃないかと思われるものにも、無機的な音がスピーカーで加えられていた。それはつまり、空間を支配する、演出する範囲を明確にすること(音だから明確というのはちょっと違うかもしれない)がアートというものだからなのだと、言われている気がした。

インスタレーション作品には、どこまでが作品でどこまでが作品でないのかわからない気持ちになるようなものがある。日本にいるからか、そういう作品に会うことは多い。それが作品が場所に負けてしまっている時は別として、肯定的にも感じる。しかしリヨンで見た作品はそのようなものはなかった。そのことがずっと心に残っている。

 

 

初日のこと

個展が始まり2週間がたちました。お越しくださった皆様、ありがとうございます。

ギャラリー HAMのオープニングパーティーのお料理は、いつも本当に美味しいのですが、どうしても自分の展示の時は胸がいっぱいで、終わり頃になるまでは、食べ物がなかなか喉を通らず、皆さんが楽しまれているのを幸せに眺めています。今回は展示に草をたくさん使っているので、外でピクニックしているような雰囲気になったらいいなという気持ちを、料理を担当してくださっている方に事前にお伝えしていたら、サンドイッチなどまさにぴったりのメニューを用意くれました。ビバ!

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そのオープニングパーティーのなか、パフォーマンスをしました。撮影はフォトグラファーの廣瀬育子さん。彼女とはニュートロン東京で発表していた頃に知り合いましたが、今回のような撮影を信頼できる人にお願いしたいと思ったときに、最初に浮かんだのが彼女でした。パフォーマンスの時はほぼ無心になるとはいえ、彼女に撮ってもらえたことでさらに集中することができました。今自分のウェブサイトが工事中なので、こちらにアップしますね。

草を切り、そこに隠れていた杖を見つけ、地面に敷いた布とともに再配置して、インスタレーションを完成させるという時間でした。今は、ギャラリーでその時の映像を一緒に見せています。

 

作品の記録をどう残すかというのは、作品のあり方が多様化している現代ではますます課題になっていますが、パフォーマンスを始めてしまった私も悩むところです。自分に関して言えば、昨年の新城市での洗濯のパフォーマンスを、思いがけず先間康博さんが撮ってくださっていた写真を見て、それがあまりに素晴らしかったという経験がひとつの手がかりになってくれる気がしています。それらは客観的とは程遠く、記録ではなく記憶に近いものでした。私は作る側なので、そこで起こったことをそのまま伝えることなどできない(そもそもその場にいてもなにかを総合的に受け取れるひとはいない)、それをどう残すかというところにも、創造的な試みの可能性がある、という方に偏っていたい。